琴の音(ね)・48
院の小侍従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて
←京都御所/今は琴というと女性奏者のイメージが強いが、元は男性奏者。
◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小侍従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。
琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに
※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小侍従と西行との親交のほどを知ることができる。
◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。
返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん
※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。
◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。
■夏休み・・・今日から学校は夏休み。実際は登校日が何日もあり、昔とは変ってきた。
←銭高組・社員研修所(大阪市伏見町)/近代的ビルの谷間にあって、ひときわ異彩を放っている。伏見町は、豊臣秀吉が京都伏見から職人を連れて住まわせた所からきている。
昔購入した「週刊・日本百名山(朝日新聞社)」(「剱岳」、「大雪山・十勝岳・トムラウシ」)を読み返している。5年前に心筋梗塞で倒れて以来、日本百名山はあきらめた。でも、「恵那(えな)山(2191m)」を復活に、年1から2回は登っている。今年は、御朱印をもらいにすでに「山上が岳」へ登った。この夏、「伊吹山」、「槍ヶ岳」に登る予定である。
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