« 2009年5月31日 - 2009年6月6日 | トップページ | 2009年6月14日 - 2009年6月20日 »

琴の音(ね)⑬

院の小侍従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて 

◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小侍従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。 

琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに 

※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小侍従と西行との親交のほどを知ることができる。 

◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。

返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん

※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。

◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。

→夢中契恋といへる心をよめる

見し夢のさめぬやがてのうつつにて今日とたのめし暮を待たばや(千載835) /「通釈」ゆうべ、あなたと思いを遂げる夢をみたーーその夢が醒めずにそのまま現実となって、あてにしていた今日の夕暮になってほしいものだ。 /「語釈」◇今日とたのめし暮=シは所謂過去(記憶)の助動詞。今日はきっと逢えると期待した夕暮。◇暮を待たばや=夕暮を待って、夢が現実化するのを見届けたい、という心。

■風の道⑥

Cimg0381葛城の道・葛城「一言主神社(ひとことぬしじんじゃ)」(奈良県御所市)/全国にある「一言主神社」の総社。地元では「いちごんさん」と親しまれ、一言だけなら願いをかなえてくれるという。この日は、(温泉に入れますように)。見事かなえてくれた。写真は、「乳垂れイチョウ」の異名をもつ、樹齢1200年のイチョウ。この巨木の下に、松尾芭蕉の句碑が建っている。『「猶(なお)みたし 花尓明行(はなにあけゆく) 神乃顔」 はせを』 /トータル・トレーニング(10:00-11:30)→→昼食→→映画「硫黄島からの手紙」(吹田市、男女デュオ共同参画)→サンクス図書館(休館)→江坂図書館(ビバルディ作曲:四季=CD借りる)→晩御飯

| | コメント (0) | トラックバック (0)

琴の音(ね)⑫

院の小侍従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて 

◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小侍従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。 

琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに 

※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小侍従と西行との親交のほどを知ることができる。 

◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。

返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん

※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。

◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。

→題しらず /待つ宵のふけゆく鐘の声きけばあかぬ別れの鳥はものかは(新古1191)

/「通釈」恋人を待つ宵の更けゆくことを知らせる鐘の音を聞けば、嫌々別れなければならない朝を告げる鳥の声も物の数に入るだろうか。この鐘の音の辛さに比べれば。 /「語釈」◇あかぬ別れ=あく(飽く)は「満足する」意。不満な別れ。この場合、後朝(きぬぎぬの別れ。 /「補記」朝の別れの時を告げる鳥の声を悲しいものとするのは古来からの恋歌の常識であるが、待つ女の身で聞く夜更けの鐘の音の方が遥かに辛いものだとした。この歌は発表当時から評判が高く、作者は「待宵の小侍従」と通称されるようになった。初句「まつ宵に」とする本もある。 /「他出」続詞花集、歌仙落書、小侍従集、竹園抄、和歌口伝、平家物語(延慶本・覚一本)、源平盛衰記、女房三十六人歌合 /「参考歌」よみ人しらず「後撰集」 うとまるる心しなくは時鳥あかぬ別れに今朝はなかまし /「主な派生歌」 こぬ人を待つとはなくて待つ宵の更けゆく空の月もうらめし(有家「新古今」) いつはりと思ひながらも待つ宵の更くるはつらき山の端の月(大江頼重「続後拾遺」) 待つよひの更行くかねのうさまでは恨みもあへぬほととぎすかな(花山院師兼)

■風の道⑤

Cimg0379葛城の道(奈良県御所市)。

週末でなにかとあわただしい。予定している業務をこなせるだろうか。 なんとか業務をこなして帰宅したら、午後9時40分。缶ビール1缶飲んだ。

「ビール1杯の酔い、ビール1杯の幸せ」

| | コメント (0) | トラックバック (1)

琴の音(ね)⑪

院の小侍従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて 

◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小持従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。 

琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに 

※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小従と西行との親交のほどを知ることができる。 

◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。

返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん

※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。

◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。

→恋 

恋ひそめし心の色のなになれば思ひかへすにかへらざるらむ(千載892)

/「通釈」 恋をし始めてから、心の色はすっかり恋に染まってしまった。いったい何の色だというのか、もうやめようと思い返しても、色はもとには戻らない。 /「語釈」 ◇恋ひそめし=恋し始めた。「そめ」は「染め」を掛け、「色」の縁語になる。 ◇思ひかへす=心をひるがえす。 ◇かへらざるらむ=「かへる」は「色」の縁語で、「色が褪(あ)せる」「色がもとに戻る」意。

■祭りばやしが聞こえるー2部、第10話・三島江ー

「そろそろ三島江に向かおうか」、良一が清に言った。「三島江は遠いんか?」「いや、ここからはじきだ」

二人が30分ばかり歩いた所に、「三島江」があった。 「わぁー、淀川って大きいんだね」「はじめてか」、良一が尋ねた。義清は、ちいさくうなずいた。しばらく、二人は対岸を眺めていた

■風の道④

Cimg0376_2 ←高宮廃寺跡に到る碑(奈良県御所市)/高宮廃寺跡。 「高宮廃寺跡」は河内(大阪府)にもある。  7月に行く「宿泊学習(大阪府立海洋センター)の打ち合わせで、職場を出る時刻が遅くなった。地域の小学校で予定されていたインディアカの練習、そのまま直行。2セットして終了。帰宅は午後9時。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

琴の音(ね)⑩

院の小従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて 

Cimg6330 ←「小侍従の説明板」(大阪府島本町)。

◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小侍従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。 

琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに 

※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小従と西行との親交のほどを知ることができる。 

◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。

返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん

※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。

◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。

→冬 題しらず /かきくもりあまざる雪のふる里をつもらぬさきに訪ふ人もがな(新古678) /「通釈」空一面曇らせて雪の降る、古びた里にいる私を、この雪が積もらないうちに、誰か訪ねて来てほしいものだ。 /「語釈」◇あまざる=天霧る。 空がよく見えない状態になる。 ◇ふる里=「(雪が)降る」を掛ける。「ふるさと」は、古い由緒のある里、あるいは寂しく荒れた里。古歌では特に奈良旧京や吉野などを言う場合が多い。  千五百番歌合に 

跡つけしその昔こそ恋しけれのどかにつもる雪を見るにも(新後捨遺558) /「語釈」子どもの頃、雪を珍しがって踏んだ跡をつけたものだ。のどかに降り積もる雪を見るにつけ、あの頃が懐かしい。 /「補記」 純真だった幼い日々の回想。千五百番歌合は建仁元年(1201)の詠進で、同じ時の作に「思ひやれ八十路(やそぢ)の年の暮なればいかばかりかは物は悲しき」という歌があり、作者は当時八十歳を過ぎていたらしい。

■風の道④

Cimg0374九品寺(くほんじ)・葛城の道(奈良県御所市)。

九品というのは平安時代中期(藤原時代)の阿弥陀信仰で強調された「九品往生」のこと。この寺の境内で見落としてはならないのは、本堂の右手から裏の墓地に抜ける七曲がりの坂道の片側にぎっしり並べられた石仏群である。ここの石仏群は立体的群像として、「京都化野(あだしの)の念仏寺」に優るとも劣らない。 プール清掃、雨のため延期。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

琴の音(ね)⑨

院の小従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて 

◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小侍従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。 

琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに 

※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小従と西行との親交のほどを知ることができる。 

◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。

返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん

※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。

◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。

後京極摂政百首歌よませ侍りけるに ◎いくめぐりすぎゆく秋に逢ひぬらむ変はらぬ月の影をながめて(新勅撰294) /「通釈」過ぎ行く秋に、幾度めぐりあっただろう。月だけは昔と変わらずに輝く、その光を眺めて。 /「補記」「後京極摂政」は藤原良経。「百首歌」は建久元年(1190)の「花月百首」または翌年の「十題百首」。 /「他出」三十六人歌合(元暦)、時代不同歌合 /「主な派生歌」 ・見しこともかはらぬ月の面かげやただめのまへの昔なるらむ(藤原忠資「続千載」) ・すみとげむ我が世ぞしらぬ秋ごとにかはらぬ月のかげをみるにも(伏見院)

■祭りばやしが聞こえるー2部、第9話・卯の花ー

「卯の花」とはウツギの事で、卯月に咲くのでこの名がある。三島の「玉川の里」は、「卯の花」で古来有名な歌枕の地だった。

義清と良一は、連れ立って「玉川の里」にいた。「なんてことない所だね」「そうだね。それに、玉川って、これ?」。良一は、濠のような水の流れを指さした。「もっと、水量がゆたかな川を想像してたのに・・」「水路だよ」「水路?」、良一はすっとんきょうな声をだした。「芥川が流れ込んで、玉川と名を変えて・・。それを水路に作り変えたんだ。」「へぇー、川じゃないんだ」、良一は今度は感心したような声をあげた。

■風の道③

Cimg0370ドクダミとユキノシタ(九品寺・くほんじ、奈良県御所市)/ドクダミは薬草で、花も可愛らしい。昔は、匂いがきついので、便所の周りに植えられていた。

学校の田んぼで、田植え。疲れたのか、子どもは、体がだるそうだった。 夜、地域の小学校体育館でソフト・テニスをする。強敵二人がいなかったので、4戦4勝。日曜日の疲れは、電車の中での獏睡(ばくすい)でとれた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

琴の音(ね)⑧

院の小従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて 

◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小侍従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。 

琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに 

※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小従と西行との親交のほどを知ることができる。 

◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。

返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん

※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。

◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。

→秋 七夕によみ侍りける /まれに逢ふ秋の七日(なぬか)のくれはとりあやなくやがて明けぬこの夜は(玉葉477) /「通釈」一年に一度だけ、稀にしか逢えない秋七月七日がやって来て、わけもわからないうちに、じき明けてしまった、この夜は。 /「語釈」◇くれはとり=呉織。揚子江下流の呉の地から伝わった綾織物。「来れ」を掛ける。また「あや」の枕詞になる。 ◇あやなく=アヤナシは、筋道が通らない、意味がわからない、むなしい、などの意。 /「参考歌」よみ人しらず「後撰集」 彦星のまれに逢ふ夜のとこ夏は打ちはらへども露けかりけり 作者不詳「古今和歌六帖」 恋ひ恋ひてまれに逢ふ夜のあかつきは鳥の音つらきものにざりける

■祭りばやしが聞こえるー2部、第8話・玉川の里ー

良一は、大阪府三島郡豊川村(現・箕面市)に造り酒屋の長男として生まれた。祖父の弥次郎と、義清の祖父・三又郎とは囲碁仲間だった。義清と良一は、豊川尋常高等小学校にあがるまでに何度か良一の自宅で会っていた。三又郎が、孫の義清を連れてきていたのだった。

良一と義清は、学校が休みの時は、小学校の近郊を歩き回っていた。「おい、清、今度の休みに、玉川の里へ行かないか?」「玉川の里?」「歌枕の名所だ」「ああ、玉川」「知ってるのか」「ああ、有名だからな」「でも、ここから遠いだろ」「まあ、ちょっとかかるけど、昼までには着くよ。弁当食ったら、三島江にも行かないか?」「弁当?」「ああ、おまえんとこ、じいさんと二人きりだな。いいよ、俺がばあさんに頼んでみるから。弁当、二人分作ってくれって・・」「いいんかい?」「ああ、いいとも」「今度の休みが楽しみだな」。

■風の道②

Cimg0389 ←「葛城の道」(奈良県御所市)/アザミにとまっている蝶は、「カラスアゲハ」。

6月4日から歯の衛生週間。これを聞いて、なんとかせねばと思っている。年末から正月にかけて行ったイタリア旅行。その最中に、歯が欠けてしまった。スルメを肴(さかな)に白ワインでいっぱいやっている時だった。幸い痛みもなにもおこらなかった。しかし、ほおっておいて良いわけがなく、近日中に?・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

琴の音(ね)⑦

院の小従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて 

◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小侍従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。 

琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに 

※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小従と西行との親交のほどを知ることができる。 

◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。

返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん

※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。

◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。

→正治二年百首歌に /咲きにけり遠(をち)かた人にこととひて名を知りそめし夕顔の花(続古今273) /「通釈」咲いたなあ、夕顔の花が。遠くを行く人に「これは何の花ですか」と訊いて、初めて名を知った、その花が。 /「語釈」◇遠かた人=遠方を通りかかった人。 「本歌」を踏まえた語。 ◇夕顔=ウリ科の蔓(つる)性一年草。夏の夜、白い花が咲く。 /「他出」三百六十番歌合、秋風集、雲葉集、六華集/「本歌」よみ人しらず「古今集」 旋頭歌 うちわたすをち方人に物申す我 そのそこに白く咲けるは何の花ぞも /「本説」「源氏物語 夕顔」 「をちかた人にもの申す」と、ひとりごちたまふを、御随身ついゐて、「かの白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になむ咲きはべりける」と、申す。

■風の道①・・・ある映画の一場面。「・・・、あたいの夢、大きな岩の上で風に吹かれてみたかった。今その夢が実現した。・・」。そのセリフを聞いて、そんな夢もあるのかと思った。

Cimg0361モニュメント「風の道」/大阪府豊中市生まれの世界的アーティスト新宮晋さんの昭和45年(1970年)の作品。千里北公園(吹田市)。

自宅(7:00)-江坂(7:10)-地下鉄「御堂筋線」-天王寺(7:40)・阿部野橋駅(7:42-7:50)→吉野行き(急行)-尺土(しゃくど)駅ー御所(ごせ)駅(8:34)・奈良交通バス→葛城山ロープウェイ前行き(8:40)→櫛羅(くじら)バス停・・・・九品寺(くほんじ)・・一言主(ひとことぬし)神社・・・長柄(ながら)神社・・極楽寺・・山道にはいる・橋本院・・高天原(たかまがはら)・万葉歌碑・・高天彦(たかまひこ)神社→→元来た道を戻る・・橋本院・・・極楽寺横・・・・・・高鴨(たかがも)神社・葛城の道歴史文化館・・・・「風の森」道標・・風の森神社・・風の森バス停・国道24号線脇を歩く・・・船路バス停・・・・船宿寺(せんしゅくじ)・・・・かもきみの湯(15:00-16:00)・かもきみの湯前(16:15)→御所コミュニティ(東コース)バス(一律100円)→近鉄・JR「吉野口」駅(16:32-16:45)→阿部野橋行き(急行)--阿部野橋駅(17:45)・天王寺(17:50)ーー江坂(18:20)ーー自宅(18:30)

※・・・大和平野の西の端、二上(ふたかみ)、葛城(かつらぎ)、金剛(こんごう)の山麓ぞいの通称「葛城古道」から。 このように葛城古道などという名でよばれるようになったのは最近のこと。戦後、東の山麓のいわゆる山の辺の道が観光の波に乗り、あげくは東海自然歩道の一部に組みこまれてハイキングコースとして着々と整備されて行くのを横目に、わがほうだって歴史が古いのに、と切歯扼腕(せっしやくわん)していた地元の御所市(ごせし)や新庄町(しんじょうちょう)が、まさに好機到来と喜んだのが昭和四十五年に出版された大阪教育大学教授(当時)鳥越憲三郎さんの『神々と天皇の間』であった。 それまで一般には『日本書紀』の第十代祟神(すじん)天皇が三輪山周辺で大和王権を確立したのが古代王朝の始まりで、それ以前の神武天皇から開花(かいか)天皇までの九代は実在性のない神話であるとされてきたのにたいして、鳥越さんは前九代の天皇の実在性を主張するとともに、その王朝を「葛城王朝」と名づけて耳目をそばだたせたのであった。・・・(奈良の街道より抜粋)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年5月31日 - 2009年6月6日 | トップページ | 2009年6月14日 - 2009年6月20日 »