琴の音(ね)・31
院の小侍従(こじじゅう)、例ならぬこと大事に臥し沈みて、年月経にけりと聞えて、とぶらひにまかりたりけるに、この程少しよろしき由申して、人にも聞かせぬ和琴(わごと)の手弾きならしけるを聞きて
◇院の小侍従=「待つ宵に更けゆく鐘の声聞けばあかぬ別れの鳥はものかは」(『新古今集』恋三)の歌で待宵小侍従と称される。石清水(いわしみず)別当光清女。母小大進。後白河院に出仕。二代后多子にも仕え大宮小侍従とも呼ばれる。 ◇例ならぬこと=病気。 ◇大事に臥し沈みて=重態になり。◇とぶらひにまかりたりける=訪問。ここは病気見舞。 ◇人にも聞かせぬ=秘曲として人にも聞かせない。 ◇和琴=六弦の琴。 ◇手弾きならしける=音楽を奏すること。曲。 琴の音(ね)に 涙を添えて ながすかな 絶えなましかばと思ふあはれに ※あなたの弾かれる和琴の音を、感涙にむせびつつお聞きすることです。もしあなたの病が直らなかったなら、そしてこの和琴の秘曲も絶えてしまったらと思うあわれに。 「人にも聞かせぬ」秘曲を西行に聞かせるところに、小侍従と西行との親交のほどを知ることができる。 ◇絶えなましかばと=「絶えなましかばいかに悲しからまし」が省略された形。反実仮想。小侍従の命が絶えてしまったらの意と、小侍従の伝える秘曲が絶えてしまったらの意を掛ける。 返し /頼むべき こともなき身を今日までも 何にかかれる玉の緒ならん ※琴を弾くと申しましても、この世に頼みにできるものとて何もないわが身ですのに、今日まで何の因縁によってこのように生きながらえてきた命でありましょう。 ◇こと=「事」と「琴」を掛ける。 ◇かかれる=「掛かれる」と「欺かれる」を掛ける。 ◇玉の緒=命。玉を貫く緒が切れやすいようにはかないことからいう。「緒」は「琴」の縁語。 五、後白河院の「五十の賀」。 『小侍従集』(一二一)に、詞書のない次の歌がある。 君が代は菊のした水むすびける人のよはひもなにならぬかな この歌は「菊慈童」が菊の露を飲んで七百余才の長寿を得たという故事にちなんだものである。詞書はないが、この歌は「菊慈童」の長寿にちなんで、後白河院のそれに勝る御長寿を祈ったもので、安元二年(一一七六)三月四・五・六の三か日に○って行なわれた白河院の「五十の賀」に、小侍従によって捧げられた歌であろう。 ■七月 明日から海洋センター(宿泊学習)へ行く。その準備でばたばたしている。 放課後、卓球大会。その後、愛染祭に行く予定。→宿泊学習の準備で、卓球大会は不参加。H接骨医の帰り、土砂降りの雨が。愛染祭りは行かなかった。
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