能・蘆刈(あしかり)⑰
津の国の難波(なにわ)の春は夢なれや蘆の枯葉に風渡りけり (西行法師 山家集)
※心ある人に見せたいと古人が詠み、わたしも歌ったあの摂津の国の難波の美しい春景色は、夢のことであったのであろうか。今、再び来てみれば、芦の枯葉をざわざわと動かして風が渡っており、何とも言えず淋しい荒涼たる冬の景色である。
◇能は藤原定家に影響されたと伝え聞くが、むしろ西行法師に影響されたのではないか。「江口」など西行法師に関する能を、世阿弥はいくつか書いている。「蘆刈」本中にある西行法師の歌は、「津の国の難波の春は夢なれや蘆の枯葉に風渡る」。「蘆刈」の舞台は、摂津国尼崎(兵庫県尼崎市)。
難波わたりの春の景色、朧舟(おぼろぶね)こがれ来る沖の鴎(かもめ)磯千鳥、連れ立ちて友呼ぶや。海士の小舟なるらん。雨に著(き)る、雨に著(き)る。田蓑(たみの)の島もあるなれば、露も真菅(ますげ)の笠はなどかなからん。
◇朧舟=春霞に朧に霞んで見える船。 ◇雨に着る=古今集、紀貫之の歌「雨により田蓑の島を今日行けば名には隠れぬ物にぞありける」にとった。 ◇露も真菅(ますげ)の笠=露を防ぐための菅笠。
■君がいた夏ー5部、第76話・大運河ー
「船に乗ろうよ。そして、サン・マルコ広場まで行こうよ」「サン・マルコ広場って、ヴェネツィアの中心地だね」「そうだよ」「ヴェネツィアって、なんだ。ヴェニスのことだよ」「ああ、そう。同じなの」、義清は感心したように言った。
■お水取り・・・関西に春を告げるという奈良の東大寺のお水取り。
←糊(のり)こぼし/別名「良弁ツバキ」(大阪府豊中市、服部緑地・都市緑化植物園)
東大寺の「お水取り」が3月13日、終わった。「お水取り」は、正しくは、「修二会(しゅにえ)」という。毎年3月1日から14日にかけて盛大に行われる。十一面悔過(けか)法要を行う11人の練行衆(れんぎょうしゅう)は、2月20日から戒壇院にしつらえた別火坊(べっかぼう)で前行(まえぎょう)に入り、本尊に備えるツバキの花をこしらえる。 植物園で説明してくれたボランティアのおじさんは、「・・私だけの説ですが、お水取りの時つかうツバキが造花なのは?・・生花だとあまりにも生々しすぎるのではないですか。だから、造花をつかう・・」。私は、おじさんの意見に賛同して頷いた。
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コメント
若狭でも「お水送り」の行事が盛大に行われていますよ。もちろん二月堂に水を送るための神事です。
3月2日だったと思います。
それを二月堂の「若狭井」から若水を汲むのですね。
そして途中の水の通り道が京都の城南宮の「若水」ですね。
昔の人たちはそんなことを本当に信じていたのでしょうかねー。
投稿: カズ | 2009年3月18日 (水) 13時49分
そうですね。2日夜に小浜の遠敷(おにゅう)神社の下を流れる遠敷川で行われますね。
昔の人たちは信じていたんじゃないですか。
投稿: 多吉 | 2009年3月18日 (水) 20時54分