西行の仮名⑩
円位(えんゐ)
薬草喩品(ゆほん)
ふたつなくみつなくのりのあめなれど いつつのうるひあまねかりけり わたつうみのふかきちかひにたのみあればかのきしべにも わたらざらめや
※円位=西行法師。 「西行の仮名」と題して、2008年2月23日~3月30日 出光美術館(東京)で開催された。(併設 重文 俵屋宗達筆・西行物語絵巻)
西行は晩年、伊勢神宮に「御裳濯河歌合(みもすそがわうたあい)」「宮河歌合(みやかわうたあい)」という二つの自歌合(じかあわせ)を奉納することを思い立ち、その判詞(はんし)を俊成・定家に依頼した。「御裳濯河歌合」に対する俊成の加判は早々になされたようだが、若い定家の「宮河歌合」に対する判詞は遅れに遅れる。この手紙はその件で俊成にあてた催促状で、定家を叱咤激励する一方で、俊成の判詞に関してはどこか含みのある言い方をしているのがおもしろい。なにしろ俊成は、この歌合で、西行一代の代表作(こころなき身にも哀・あはれはしられけり鴫たつ沢の秋の夕ぐれ)を負けにしているのだ。西行としてはこの当代歌壇の第一人者に気を使いつつも、不満はあっただろう。もっとも勝ちと判定された、(おほかたの露には何のなるならんたもとにおくは涙なりけり)も、すぐれた歌だと思いますが。
■バスの旅
日本一長い路線バスが、御所駅前からでている。区間は、御所ー熊野本宮前ー新宮駅。途中に、かつて陸の孤島・秘境とよばれた「十津川村」などを通る。いわば、十津川街道を行き来する路線だ。
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